「君の膵臓をたべたい」映画の口コミと感想!

レビュー

2017年夏、日本で公開された映画「君の膵臓をたべたい」が私が住むタイで公開されたので早速見てみました。

日本ではかなり話題となった映画でしたが、何の前評判も聞かずに観て見ることに。

どんな映画かも知らずにみましたが、個人的に構成がかなり出来上がってると感じた映画でした。

ネタバレありです。


現在の自分が語る過去の物語

「君の膵臓をたべたい」映画の口コミと感想!

時系列が、現在から未来に向けて進んで行く物語よりも、現在の自分、そして過去の自分の物語と構成が二重構造になっていることで、人は興味が増すのではないでしょうか?

個人的に、入れ子構造で作られている物語は大好きです。

君の膵臓をたべたいも、現在を生きている自分がとあるきっかけで忘れようとしていた過去の自分の物語を思い出します。

そしてトラウマと向き合うべく、また今現在抱えてる問題ときちんと向き合うことができるようになる過程が描かれています。

途中途中で出てくる様々な「チラリズム」が絶妙だと思われました。

どうしても、物語の箱を見てしまう習性があるのですが、この物語を面白くしてくれてるのは、様々ななぞかけなのではないでしょうか?

人はすべてを知ってしまうと、物語に興味がなくなります。

先を知らなくても良くなります。

そのため、常に惹きつけておくためのトリックが満載だなとかなり感じた映画です。

とにかく、構成がすごかったの一言です。

その場ですぐに答えが明かされないものは、何回かに分けて答えを導きだすという手法もすごいなと思います。

現代を生きる人たちに向けたメッセージ満載

「君の膵臓をたべたい」映画の口コミと感想!

最近、日本では若者が年寄りよりも外出しなくなったとか、将来年金がもらえなくなる可能性があるから、これだけ貯金しなければならないとか、貧困女子とか、下流老人だとか、そんなワードばかりが目立ちます。

表舞台では、景気回復なのかもしれませんが、実際のところ全くそのようには感じません。

もっとギラギラした生と向き合う時間も必要ですよね。

この映画が教えてくれることは、1日1日をしっかり生きること。

人はいつ何があるかわからないんだということ。

そして、たとえ病気だったとしても私の時間の価値とあなたの時間の価値は同じなんだよ!ということを教えてくれています。

特に最後の「事実」について、なんとなく誤解してる方が多いのではないかなと。

映画の途中途中で伝えられるメッセージが、今を生きる私たちに「刺さるメッセージ」なんじゃないかなと思います。

もちろんどの言葉に刺さるのかは、ひとそれぞれです。


時代の流れに沿った作品

これより、物語のネタバレです。

「君の膵臓をたべたい」映画の口コミと感想!

今の時代は、ありのままに生きること、自分軸で生きることなど重要視される時代になってきました。

昭和の時代は終わりを告げ、あの頃と同じ価値観では時代の波に乗り生きていくのが難しい世の中です。

自分を押し殺して、誰かのために生きること。

他人からの評価の中でしか自分という存在を認められないひと。

まさに、ヒロインの女の子である桜良はそういう存在として描かれていたのではないでしょうか。

そんなヒロインの女の子が、クラスの中で人との関わりをせずに自分自身を確立してる主人公の男の子と仲良くなっていく。

主人公の男の子は男の子で、他人との付き合い方がわからない。面倒だし、自分一人ですべて解決できるから人付き合いなんてしなくてもいいという思い込みの中にいる。

お互いに、全くべつのものを持った二人がお互いに影響しあっていくストーリー。

作者の方は、映画のパンフレットの中で「これはラブストーリーではありません。」と書かれてました。

ラブストーリーといってしまうと、途端に陳腐な作品になってしまうということなのでしょうか。

一般的な主人公が病気で死に向かうというラブストーリーではなく、心理的な変化を描きたかったのかなと。

あくまでも私の想像ですが。

お互いに全く違う性質を持った二人が、良い影響を与え合い自己成長していく過程。

そんな目で見てみると、面白いなと感じます。

入れ子構造の中の現在バージョンで、やっぱりまだ主人公の彼は完全な「自己改革」が完了するための答えは見つけていませんでした。

でも、最後の最後で彼は自分で気づくことができます。

この二段階構造が、見せ場ですね。

破り捨てられた「退職願」がすべてを語っています。

人は誰かの力を借りて、自分自身と向き合うことができます。

そんなことを教えてくれたのが、ヒロインの言葉なのかもしれません。

今を生きるのが辛い方。

明日もまた同じ日が来ると信じてる方。

など、今の時代を生きていることに悩んでる方にオススメの映画だなと感じました。

「君の膵臓を食べたい」を見て、1日1日の大切さを知ってみてください。

※これは、あくまでも個人の映画の感想です。

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